櫟苑(らくえん)について
寺院護持と”みほとけ”の継承
櫟苑(らくえん)とは滋賀県甲賀市にある天台宗のお寺、櫟野寺(らくやじ)にある樹木葬墓苑の名称です。仏さまの見守りの中の安息の地になればと思い開苑しました。昨今では、田舎だけでなく、都会の人たちでも、あの世のお家(お墓)のことで悩みが多くあると聞きます。樹木葬によって新たなご縁を繋ぐだけでなく、将来に亘る寺院護持が”みほとけ”の保存と継承に繋がることになります。
樹木葬への思い
私がお勤めしている櫟野寺というお寺は地元では「いちいの観音さん」として親しまれています。
その昔、最澄さんが、霊夢を感じ櫟の木で、十一面観音を彫刻したのが始まりと言われています。日本にはいくつかの十一面観音さんがいらっしゃいます。
本寺の十一面観音さんは「日本最大坐仏の十一面観音」というのものになります。またこの観音さんの他、重要文化財として20体の仏像がございます。
文化財は歴史や文化の理解のため欠くことのできない貴重な国民的財産であるとともに、将来の発展途上のためになくてはならないものです。将来の地域づくりのため
次世代に継承していくことが求められます。
新たに樹木葬墓苑を設け、地域だけでなく、お墓の悩みを持つ方たちとのご縁を得て、仏さまを守っていきたいと思います。
住職 三浦密照
墓苑について
櫟苑全体は、仏教でも説かれる万物を生み出す「空(くう)・風(ふう)・火(か)・水(すい)・地(ち)」をテーマとした自然葬地となっています。自然をできるだけ残し、杉とモミジの木立の中に杉苔に覆われた墓苑があります。苑内は道幅も広くゆったりとし、石のベンチがあり落ち着いてお参りできる空間となっています。利用者はそれぞれ個別の区画に埋葬されます。
※現在の募集ゾーンは「空(くう)」「風(ふう)」となっています。
宗旨宗派を問わないお墓です
お墓の管理母体は櫟野寺です。天台宗のお寺ですが、宗旨宗派を問わず、どなた様でもご利用頂けます。従来のお墓と違い、引き継ぐ必要もありませんので、単身者での利用、友人知人同士、墓じまいを経てご先祖共々のご利用など、あらゆる方に応じたお墓となっています。
檀家にならない
檀家になる必要はありませんが、過去帳にも記載し、ご希望があれば、納骨法要や年忌法要も承ります。法要は天台宗の教義に則り執り行います。
永代供養のお墓
近年、お墓参りに行くことが難しかったり、継承する人がいないので将来的に管理ができず無縁になるというお悩みを聞きます。当苑ではお寺が代わって永代に渡りご供養いたします。毎年、春と秋のお彼岸とお盆の時期に供養を行います。また年に1回、墓前にて合同法要祭を執り行います。
自然に還る埋葬
ご納骨は、骨壷からさらし木綿に移し替え、自然の土の中に埋葬いたします。長い時をかけ土に還る埋葬方法です。33年以降は自然に還り土となったお骨の一部を、十三重の石塔(合祀墓)に移し、引き続き供養が続きます。
生前から申し込み可能
墓地利用は、生前申し込み、遺骨申し込みどちらでも可能となっております。また墓じまいにおける改葬の場合もご利用頂けます。
素晴らしい自然環境
甲賀といえば忍者の里というイメージがあります。もう一方で良質な木材産地でもあります。その昔、天台宗を開いた最澄が比叡山に根本中堂を建立するための用材を甲賀に求め、筏に組んで杣川を下ったという伝えがあります。櫟野寺の周りも自然に恵まれ、田園、川、山と緑豊かな地にあります。
墓所のタイプ
「空(くう)」個人墓・夫婦墓ゾーン
1区画30cm×30cmの墓所となります。1区画に1人(霊)から2人(霊)まで納骨することができ、2人(霊)の場合、区画内の上下に埋葬します。
一人利用
墓所使用料 30万円
二人利用
墓所使用料 50万円
「風(ふう)」家族・先祖ゾーン
1区画30cm×60cmの墓所となります。最大6人(霊)※まで納骨することができます。区画内で上下左右に分け埋葬します。
家族利用・先祖利用【最大6人(霊)】
墓所使用料 80万円
※墓じまいなど、ご先祖のご遺骨を櫟苑に改葬する場合、生前でのお申込みが2人以内であればご先祖の遺骨の数は問いません。
例1:ご夫婦【2人(生者)】+先祖代々のお墓【6霊(遺骨)】を墓じまいし櫟野寺に改葬する場合
ご夫婦2霊+遺骨6霊の計8霊での先祖利用となります。
納骨方法
※イラストはイメージです
区画は碁盤目のように正確に分かれおり、1区画を定めています。実際の線は見えませんが、区画を記す石板が墓苑の脇にあり、初めて墓参する方でも埋葬場所がわかるようになっています。墓苑に深さ約45~50cmほどの穴を掘り、骨壷からご遺骨をさらし木綿に移しかえて埋葬します。長い時をかけ、さらし木綿ごと自然に還る埋葬方法です。
樹木葬事業
本樹木葬事業は、櫟野寺の将来に亘るお寺の護寺を考え、地域の人だけでなく都会に住む人との新たなご縁をいただき、仏さまの見守りの中で安息の地になればと思慮した事業です。 櫟苑の計画は、京都の臨済宗大本山5塔頭で樹木葬をプロデュースしてきたカン綜合計画と、ランドスケープデザインは立命館大学の武田史朗教授の指導で武田研究室の学生が設計や施工に参加。石積みでは、棚田など空石積みの技術伝承を目指す「石積み学校(真田純子東京工業大学准教授チーム)」金子玲大氏の協力、地域の土木、造園、石屋など様々な地元の知恵も結集し完成しました。デザインの特徴は、裏山を背景として墓苑のシンボルとなる十三重の石塔を中心に樹齢50年以上の杉や楓の既存の木立を生かし、近江の自然石に包まれた、静かな佇まい(墓苑)となっています。